毎年、秋分の日に開催される『こたんまつり』も今年で60回目。
今年は例年のお祭りに加え、夕方からは石狩川に架かる『神居大橋』のライトアップが30年ぶりにあるということで、大注目のイベントでした。
場所は、旭川中心部から約10km地点にある『神居古潭(かむいこたん)』。
かむいこたんとは、アイヌ語で『神のいるところ』という意味。
ここは大変川の流れが急な場所で、アイヌが船で行き来していた時代は最大の難所であったといわれています。
その後、和人がこのあたりを切り拓いてからも、鉄道開拓や国道開拓などに着手していきますが、たびたび事故などに見舞われ、大変な難工事を課されたといいます。
それでも、春の花見や秋の紅葉シーズンには多くの人が訪れる旭川有数の景勝地であり、『旭川八景』にも選ばれるほど素晴らしい景色を楽しめます。
今年の『こたんまつり』では、まだ少し紅葉には早かったものの、大勢の人で賑やかなお祭りとなりました。
写真は旭川地方のアイヌの方々が、『カムイノミ』(神様への祈りの儀式)を行い、儀式に使ったイナウ(木弊)を石狩川へ投げ入れるところ。
交通安全と人々の幸せをお祈りして下さいました。
また今回は、記念すべき60回目の開催とあり、帯広の『帯広カムイトウウポポ保存会』の方々も、十勝地方に伝わるアイヌ古式舞踊を披露。
観客も参加して、アイヌの踊りを舞いました。
その他、神居古潭周辺の特産グルメや、猟師さん直売の蝦夷鹿料理などの露店、鉄道グッズショップや旭川の2.5次元アイドル『最上奏音』のグッズショップ、アイヌ民族の楽器『ムックリ』製作体験コーナー、最後は観客全員参加の大抽選会と盛りだくさんの内容でした。
さあ、いよいよ日が暮れて…。神居大橋が綺麗にライトアップされます。
普段は街灯もなく、夜には真っ暗で人もいない神居古潭も、この日だけは人の往来が途切れませんでした。
今は廃線となり使われていない『神居古潭駅舎』の中では、こたんカフェと銘打って、コーヒーやスイーツが振舞われました。
普段よりも賑やかな神居古潭の夜。
神様も穏やかに見守ってくれていることでしょう。
神居古潭へのアクセスは、国道12号線をひたすら西進。
春市内トンネルの手前を右折すると、神居大橋前へ出られます。
ただし、夜間は本当に街灯がなく危険なうえ、ヒグマの生息地でもあるため、明るい時間の訪問をオススメします。
この記事を書いた人:ちゃりこ