北見・紋別

“鴻之舞鉱山ガイドツアー”日本で3番目の産出量を誇りゴールドラッシュで湧いた紋別市の鉱山をめぐってみよう

佐渡金山(新潟県佐渡市)、菱刈鉱山(鹿児島県伊佐市)に次いで日本で三番目の産出量を誇っていた紋別市の鴻之舞鉱山。

ゴールドラッシュで湧いていた昭和初期には1万4600人もの人たちが紋別市鴻之舞に住んでいましたが、鉱山が閉鎖した現在は無人地帯です。

そんなゴールドラッシュで賑わっていた鴻之舞鉱山様子を詳しく知ることができるツアーを紋別市では4~11月の毎週土曜日に開催しています。

集合場所は、紋別市の重要文化財に指定されている上藻別駅逓です。

道内に10か所しか現存していない駅逓

駅逓とはかつて鉄路が発達していなかった頃に、北海道内各地にあった馬と旅人の宿泊地となっていた所で、現存しているのはたった10か所だけです。

上藻別駅逓は、戦前の北海道独自の建築様式が注目され国の重要文化財に指定されています。

宿泊施設だったため内部は現在の駅舎というよりも民宿みたいな感じになっていて今も宿泊できそうなくらい綺麗な状態で保存されています。

鴻之舞鉱山の貴重な展示も

駅逓の公開は4月下旬から11月下旬の間にかけて無料で公開しています。

中に展示している資料は駅逓関係のものより鴻之舞金山についての資料が多く、創業当時の鴻之舞鉱山の様子が所狭しと貼られています。

現在は自然と返り遺構はほぼ消えてしまっていますが、かつては鉱山施設がたくさんあり多くの人が住んでいたことがわかります。

かつては鉄道も走っていた

上藻別駅逓にて駅逓と鴻之舞鉱山の解説を聞いた後は、鴻之舞鉱山エリアへと向かいます。

ガイドをしてくれる方はかつて鴻之舞地区に住んでいた方で当時の様子などを聞きながら鴻之舞地区へと向かうので非常にわかりやすいです。

現在は路線バスも上藻別駅逓まではデマンド運行となりその先の鴻之舞までの区間は廃止となってしまいましたが、かつては紋別市街地から鴻之舞地区まで鴻紋鉄道という鉄道が走っていたようです。

その鉄路が鉱山水送水施設として現在も使用されており、鉄道遺構としてみることができます。

開業からわずか5年で廃止となったためその存在を知る人はかなり少なかった幻の鉄道です。

いざ鴻之舞鉱山エリアへ

鴻之舞鉱山は住友系の企業が経営をしており、現在も住友金属が所有権を持っている私有地の為ゲートには鍵のかかった門があり勝手に入ることはできません。

鉱山は閉鎖となりましたが、現在も沈殿池のみが稼働しており、旧坑道からの高い酸性の水が川へと流れないように制御をしています。

坑口の近くへ行くと水の流れる音が激しく聞こえてきますよ。

一般のガイドツアーでは立ち入ることはできませんが、坑道内へは社会科見学など教育的授業などで解放されることがあるようです。

期間限定でよいので一般公開も行ってほしいですね。

鴻之舞鉱山のシンボル

鴻之舞地区を通る道道305線沿いからも大きく見える鴻之舞のシンボル大煙突。

鉱山閉鎖時に取り壊す話もあったようですが、シンボルを残すように元住民たちが立ち上がり取り壊されずに現在も残っています。

この大煙突は1938年に建設されたもので、鉱山全体にお湯や蒸気を供給していたボイラー施設だったようです。

半世紀以上前に建設された大煙突ですが、ヒビもほとんどなく現役のように綺麗な状態で見ることができますよ。

鴻之舞鉱山で数少ない現存の建築物

大煙突の近くには変電所もあります。

崩壊が進んでいるため内部へ入ることはできず、外から眺めるだけですが内部の様子がよくわかります。

鴻之舞鉱山は閉山時に大部分の建物が壊されてしまったため、鉱山関係で残る貴重な建築物です。

赤平市が鉱山見学ツアーを行っていますが、美唄市や三笠市にも鉱山関係の建物が多く残っているのでせっかく日本遺産に選定されたのだからもっと炭鉱施設をガイドするツアーなどを開催してほしいものですね。

現存する木造社宅

鴻之舞地区の住宅街もほぼ消滅していますが、1棟のみ木造社宅が現存しています。

ガイドツアーに参加すると内部の見学もすることができます。

所有者が不明なため家電などが当時のまま残っていて当時の暮らしもうかがうことができます。

木造平屋の社宅は冬寒そうに見えますが、なんとストーブに使う石炭を毎冬4tも無料で貰えていたため24時間ずっと暖房をたくことができたので温かく過ごせたようです。

当時として貴重だったテレビもあることからこの辺りの人たちは結構裕福な生活をしていたようですよ。

道道から見える市営住宅

社宅などほとんどが住友金属の所有物だったため、鉱山閉鎖時に大多数が取り壊されてしまい、住居跡などは基礎だけが道道から見える状態となっています。

そんな中突如森の中から見えてくるコンクリート群の団地。

これは住友の所有ではなく紋別市営のアパート群だったため取り壊されることなく現存しています。

当時では珍しかったメゾネットタイプのアパートだったようですよ。

道道からだとほとんど遺構がわからない鴻之舞鉱山ですが、ガイドツアーに参加すると色々と施設も見られる上に当時の話も聞けるため鴻之舞鉱山について詳しく聞くことができます。

ツアー料金は1000円と非常に良心的で、本州から参加する人も意外と多いようです。

■鴻之舞鉱山ガイドツアー

【住所】北海道紋別市上藻別297-1

【アクセス】紋別ターミナルから北紋バス「上藻別」行きに乗車し、終点で下車(1日3本 ※予約制) ※バスの時間に合わせて行程を調整してくれます

【開催期間】4~11月の毎週土曜日の午前と午後の2回

【料金】1,000円

この記事を書いた人

コイチ

気が付いたらアラフォー。
大泉洋と同じ高校出身な北海道在住の旅人ですww
北海道内179市町村の温泉・登山・お祭りめぐりと
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