朝里駅は札幌から電車で35分、小樽市朝理にある小さな無人駅です。
この駅には不思議な改札があることで、しばしば話題になります。
その話題の改札を探っていきましょう。
地方の一般的な無人駅に見えるけど…
朝里駅は石狩湾沿いを進む函館本線の無人駅です。
毎時上下各4本程度の普通列車が発着します。
駅舎は札幌方向、海沿いに設置されています。
駅舎の中には、待合室、時刻表、切符販売機、自動改札があります。
しかし、そこには噂に聞くような改札はありません。
噂の真相はいったい…
JR北海道の地元住民へ親切な配慮
待合室の設置された駅舎のある札幌方面ホームから陸橋を渡り、小樽方面ホームに向かいます。
ホームは切り立った崖の麓に設置され、待合室を設けるほどのスペースはありません。
代わりに自転車小屋のような屋根付きの簡易待合スペースが設けられています。
そこに噂の改札がありました。
ハリーポッターの壁の向こうにある9と4分の3番線ホームのように、亜空間に繋がっているわけでは当然ありません。
通常の自動改札を通過するように進むことが物理的にできないのです。
乗降時はICカードを機械にタッチするだけ。
突然ゲートが閉まることは一切ありません。
不正乗車の原因になるのではと思う方もいると思いますが、基本地元住民しか利用せず仕組みの周知も十分に進んでおり、利用者のモラルに任せるといった感じです。
集落が駅の南側、つまり崖の上にあるため、利用者がわざわざ線路を渡り北側の駅舎に設置された改札を通過し、陸橋を渡り小樽方面に向かう面倒をしなくて済むように簡易改札を設けたそうです。
珍改札誕生の経緯
駅建設当初は自動改札そのものが開発されていなかったため、切符を購入して列車に乗車していました。
しかし、朝里駅は大都市札幌と人気観光地小樽を結ぶドル箱路線(JR北海道基準)の中間に位置するため、運行の効率化を図る施策の一環として沿線の各駅に自動改札が導入されました。
しかし、資金に乏しいJR北海道は新たに土地の取得をする予算など組めないため、試行錯誤の結果このような改札が誕生しました。
海岸沿いの立地なので美しい写真も撮れる穴場スポットです。
小樽観光の帰りに時間の余裕があれば、途中下車してみてはいかがですか?
■朝里駅
住所 北海道小樽市朝里1丁目5
この記事を書いた人:シュガー