北海道で城址というと桜の名所「松前城」が有名ですが、松前藩によって築城したお城がもう一つあります。
それが松前町から北へ60kmほど所にある厚沢部町の「館城跡」。
何と築城されたのは明治元年と日本最後の和式築城だったお城です。
ただ完成直後に旧幕府軍の攻撃によって落城し、消失してしまったためたった2か月で無くなってしまった幻のお城です。
山間の幻のお城
厚沢部町は函館市と江差町の山間にある小さな町です。
現在の厚沢部町市街地は函館市と江差町を結ぶ国道227号線沿いにありますが、館城跡は国道227号線から10kmほど山の方へ進んだ館という地域にあります。
国道227号線から離れた山奥ということもあり、松前城や五稜郭といったメジャーな城郭とは異なり現在も幻のような存在となっています。
そんな幻のお城ですが、城址公園周辺は沢山の桜の木が植えられており、5月上旬ごろに見頃を迎えます。
かつて当地にあったと思われるお城を再現したミニチュア櫓周辺には桜が咲き誇り見事な光景が楽しめます。
国の史跡に指定されている
幻とも言われているお城ですが、発掘調査によって堀・土塁など館城の様子がわかるようになっています。
御殿の基礎なども見つかっておりこれらが国の史跡にもなっています。
館城と函館戦争について詳しく知りたい人は、厚沢部町中心街にある厚沢部町郷土史料館へ行ってみましょう。
館内には館城復元の門や城郭の復元模型など館城に関する資料が色々と掲示されているためよりわかりやすくなっていますよ。
土曜日や日曜日は開館していますが、祝日は休館しているためGWに訪れると休館しているので注意が必要です。
人混みが苦手な人にお勧め
函館周辺には松前公園・五稜郭公園・北斗市桜回廊・オソウシ公園(森町)など強力な桜スポットが多いです。
国の史跡にもなっている桜のスポットでもある館城跡は、函館市街地から遠く、近隣の桜スポットからも離れている山間の厚沢部町館地区まで足を延ばす人は少ないです。
そのため桜が満開の時期でもほぼ貸し切り状態で桜を楽しむことができますよ。
館城跡まつりも開催される
桜が見頃を迎えている頃に、厚沢部町では館城址まつりというイベントを開催します。
官軍対旧幕府軍の対決を模したパレードや特産のメークインやアスパラの塩ゆでの振る舞いなどもあります。
普段は訪れる人は少なめですが、イベント開催時には多くの人が集まる人気イベントです。
2019年以降コロナ渦で中止となっていましたが、制限もだいぶ解消されてきたため恐らく2023年度は久々に開催されるのではと期待しています。
■館城跡
【住所】北海道檜山郡厚沢部町城丘
【アクセス】江差から函館バス東部館・富里行きに乗車し、東部館で下車徒歩20分(1日4本)
【見頃】5月上旬
この記事を書いた人:コイチ