北海道には難読漢字地名が沢山ありますが、そのほとんどがアイヌ語であった地名に、後から入って来た和人が漢字を充てたものです。
音威子府:オトイネップ:o-toy-ne-p→川尻-土-まみれである-もの
留辺蘂:ルベシベ:ru-pesh-pe→道が-下る-ところ
幌加内:ホロカナイ:horka-nay→後戻りする-川
これらはみんなアイヌ語地名で、それぞれにその川や地形の特徴を表現している点で、アイヌ民族の地名の命名の仕方と暮らしとの密接なつながりを感じる事が出来ます。
北海道に生まれ育った人間として、我々いわゆる「和人」より以前からこの土地に長い間暮らしていた人達の文化に触れたくなり、まずはアイヌ語地名を知る事から始めようと調べ出していたら…
白老には「神様の尻もち跡」という意味の、「osor-kot」という地名が付いたとても興味深い場所がある事を知り、どんなところなのか訪ねてみましたよ~♪
アヨロ鼻灯台の東側にある大きな窪みが尻もち跡です。
ここでまずは、虎杖浜アヨロの地名にまつわるお話を少し…
昔、巨大な神様(創世神/処によってはオキクルミ、奥地ではサマイクル)が鯨の肉を串に刺して焼いていたら、串がボキッと折れてしまい、驚いた神が尻餅をついた。
その尻餅の跡が「osor-kot:オソルコッ」で、折れて海に刺さった串「i-ma-nichi:イマニチ(それを・焼く・串)」が岩となって、海に残った。
参考文献…「北海道の地名」「東北地方のアイヌ語地名」(山田秀三著)
神様の尻もち跡はデカかった!!
アヨロ海岸の駐車場に車を停めて海岸に降り、海に向かって左側に歩いて行くと、神様の尻もちのあとがあります。
流石にデカい!!
奥行きは60mほどと言われています。
昔はここに漁師さんの家があったようです。
海の方を見ると、岩礁となったイマニチ(焼き串)が見えます。
古くはアイヌ民族のコタンがあった場所
アヨロ鼻灯台の高台から、ポンアヨロ河口のアイヌコタンがあった場所を眺めます。
柵の向こう側がコタンの跡地のようです。
このアイヌ鼻灯台が立っている場所は、かつてのアイヌチャシ(砦)だったところ。
先程のアイヌコタンのあった場所の奥にある丘、写真では右側の丘が、「kamuy-mintar:カムイミンタル(神様の遊ぶ庭)」。
古くは山上の祭場の事をさしたとも言われています。
道内に無数にあるアイヌ語地名は、その地形や謂われに基づいて命名されているので、
その一つ一つを確認して歩くのもまた興味深いものです。
虎杖浜アヨロ海岸・オソルコッ
【アクセス】
国道36号を登別から白老に向かい「ホテルいずみ」の看板のところで右折し、アヨロ海岸の案内板に従い海岸の方へ降ります。
細い道を進むと車が停められるスペースに出ます。
※気象条件によっては、オソルコッまでは行けないかもしれません。
この記事を書いた人:hoshiboo