稚内・利尻島・礼文島

“弁天島”春先になるとおたる水族館で人気のある生物でいっぱいになる日本最北端の島

日本最北端の地というと宗谷岬と通常は答えますが、実は不正解です。

宗谷岬は一般人が立ち入ることができる最北の地で、現在の日本国の支配権がある最北の地は宗谷岬よりさらに北にある“弁天島”という小さな島です。

(ちなみに日本の領土権を主張する最北の地は、択捉島にあるカモイワッカ岬という所になります。)

宗谷岬からも日本最北の島“弁天島”は見えますが、宗谷岬を観光してモニュメントと一緒に写真をとっても最北の島を気にする人はほとんどいません。

流氷と一緒にある生物がやってくる

弁天島といってもただの岩の塊があるだけで、宗谷岬には何も説明が書いていないためその存在を知っている人はかなり少ないです。

弁天島自体は、何の特徴もないただの岩山にしか見えませんが、弁財天が祀られたことから弁天島という名前が付けられています。

上空から見るとホタテ貝のような形をしており、周辺海域は昆布やウニといった海産物の宝庫でアイヌ時代から漁場として漁が盛んにおこなわれている所です。

この海産物を目当てにあるここ数年とある生物が大量発生して、漁業関係者の間で大問題となっています。

水族館では人気者

それが海のギャング『トド』。

昔から数十頭は生息していたので、別名トド島とも呼ばれていた弁天島。

少しくらいならかわいげのあるトドですが、その生息数は6,000頭以上のトドがこの海域に生息しているのが確認されています。

おたる水族館では人気者のトド。

秋には鮭を1匹丸かじりするもぐもぐショーが見応えあって人々を魅了していますが、漁師が仕掛けた網を破ったり、捕らえた魚を食べたりと漁業関係者にとっては頭の痛い問題です。

サハリンから流れてくる流氷と共にやってくるようで、2~4月にかけて弁天島一帯はトドで埋め尽くされるという現象が起こっています。

密集度は首都圏の通勤ラッシュのよう…

一見すると岩だけの島なので岩と同化していてどこにいるのかわかりにくいトドですが、島の平らな所を隙間なくびっしりと埋め尽くしています。

まさに首都圏の通勤ラッシュのような状態となっています。

これだけ大量にいると漁業関係者にとっては死活問題ですが、普段野生ではなかなかお目にかかれないトドの大群。

とても珍しい光景は、動物が好きな人にとってはたまらない珍百景ですね。

珊内漁港から見るのがお勧め

すぐそこに見える弁天島ですが、距離が少しあるため肉眼だと黒い何かがあるくらいにしか見えません。

その姿を捉えるには、望遠が効くカメラや双眼鏡がないと厳しいですね。

宗谷岬よりも少し手前にある珊内という集落の漁港の方が島に近いので、観察をするなら宗谷岬よりも珊内漁港からの方が弁天島に生息する野生のトドを見ることができますよ。

漁業関係者にとっては死活問題の為、駆除活動も行われており徐々に数は減ってきているようなので抜海港のアザラシのようにこの光景もいつか見られなくなってしまうかもしれませんね。

■弁天島(トド島)

【住所】北海道稚内市宗谷岬

【アクセス】JR稚内駅から宗谷バス天北宗谷岬線に乗車し、珊内で下車(1日4本)

※宗谷岬の一つ手前のバス停なので、宗谷岬まで歩いて行くこともできます

【見頃】2~4月

この記事を書いた人

コイチ

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