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廃線跡をたどる 豊富町・日曹炭鉱鉄道

天北炭田最大の炭鉱だった豊富町の日曹炭鉱の閉山に伴い廃線となった日曹炭礦鉄道。

正確には「日曹炭鉱天塩鉱業所専用鉄道」の起点となったのは豊富駅でした。

ここから18kmほど先の炭鉱まで敷かれていた線路跡を辿ってみました。

今も残る路盤跡

豊富駅を出た線路は、大きく左に曲がって市街地を通り、現在の豊富町自然公園の南側からサイクリングロードに転用されています。
ここから豊富温泉の裏手まで5.5kmも続いているんですよ。

それから先は車道や農道に転用されたり、森の中を通ったりして、炭鉱跡まで続きます。

往時を偲ばせる遺構

道道84号と121号の分岐点にあるのは、江辺頃別郵便局だった建物です。

この建物の向かって右側の空き地が線路跡。

ここに郵便局があったという事は、郵便業務を兼ねていた駅逓があったという事なのでしょうか。
裏手には倉庫のような建物が。
ここからしばらく進むと、左手にコンクリートの構造物がありました。

日曹炭鉱に関連する物なのかもしれません。

かつての集落跡には記念碑が建っていました

さらに1キロちょっと進むと、左手に開けた場所がありました。

地図上に「豊富町日曹炭鉱(株)跡地の碑」とあるように、そこは炭鉱の在りし時代には「本町」と呼ばれていた街の一角でした。
そこには炭鉱や町の様子を写した写真のパネルもありました。

最盛期には3000人ほどの人口を抱え、公園や学校などもあった賑やかな当時の雰囲気が伝わって来ます。
この中から一つ接写してみましたよ。

「豊富炭山郵便局」という文字が見えますね。

ここは炭鉱が閉山し、鉄道が廃線になった後も4か月ほど営業し、1972年11月15日に業務終了となりました。
事務所跡地とされる場所には記念碑が建てられていました。

碑には、地図にある通り、「豊富町日曹炭鉱(株)跡地の碑」と刻まれていました。
かつては多くの人で賑わったであろう街の跡は、今ではすっかり自然に還ってしまい、
辺り一面が鬱蒼とした草木で覆われていました。

この日曹炭鉱では、道内の他の炭鉱と同様に、朝鮮人強制連行労働者による採炭が行われていました。

先人の残した歴史を振り返る時に、忘れてはいけない大事な歴史の一部ですね。

【豊富町 日曹炭鉱天塩鉱業所専用鉄道】
・豊富駅…北海道天塩郡豊富町字豊富西3条7丁目

この記事を書いた人

hoshiboo

1959年産。
函館で生まれ育ちましたが、キャンプで全道を回るうちに道北の小さな集落に惹かれ
そこに友人も何人か出来てしまって、十数年前に移住。
山間部で家庭菜園を楽しみながら、時々旅している地産地消を推すおっさんです。

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