函館市街地から恵山方面へと向かう途中にある汐首地区。
野生の馬が出没する山としてじんわりと知名度が増した汐首山の一部分だけ石がゴロゴロとしていて木が1本も生えていない何とも不思議な場所があります。
国道をただ走っているだけだと気づかないで通過してしまうのですが、汐首漁港のあたりから山の方を見てみるとその様子がわかります。
戸井線建設の際に事故が多発
山の一部分だけ草木が一切なく、鳥居と祠だけが立っています。
ここは龍神堂という所で地元では「雷落とし」と呼ばれています。
この辺りでは今から100年ほど前に、津軽海峡を防備する軍事施設へ物資を運ぶための鉄道として戸井線の線路施設工事が行われていました。
山を削るため削岩機を使用すると事故が相次ぎ、龍神様の怒りではないのかと考え工事の安全を願ってこの地に鳥居を建てて祀ったのが始まりです。
草木が映えないのは落雷の為?
鳥居を建て祈願したことが功を奏したものか、その後は順調に工事が行われ戸井線工事は完成へと進みましたが、戦況が不利となり不況となったため工事が中断され戸井線は幻で終了しました。
戸井線は幻で終わりましたが、当時の落雷が原因なのか今もこの辺りには草木が一切映えておらず龍神堂の周りは岩で覆われた不思議な空間となっています。
この不思議な空間果たして行くことはできるのか?
避難用階段を登っていく
特に案内看板はありませんが、龍神堂へは登ることができます。
ルートは津波が来た時の避難用階段を登って行きます。
序盤の階段が結構急なので下を見ると少し怖いです。
5分くらいあれば階段ゾーンは終了します。
踏み跡とピンクテープを頼りに
階段を登ると旧戸井線の線路跡となります。
幻に終わってしまった戸井線ですが、高い位置を走っていたため今も現役だったらとても綺麗な光景が見られたでしょうね。
この先にあるコンクリートアーチ橋は産業遺産として最近注目されています。
雷落としは戸井線線路を渡りガレ場を登った先となります。
案内看板がないのでピンクテープと踏み跡を頼りにしていくこととなります。
そのため登山慣れしていない人だとちょっとわかりにくいかもしれません。
本州まで17.5km
ほぼ真っすぐ登るような感じなので下から20分もあれば祠に到着できます。
この辺りは北海道と本州が最も近い位置となるスポットなので本州はすぐ目の前
マグロで有名な大間崎や恐山といった下北半島北部が見えます。
その距離は何と17.5kmとかなり近く、海底トンネルで車の通行ができれば本州との行き来もしやすくてよかったんですけどね。
夕日も綺麗です
足場は決して良くはないので明るいうちに行くのがいいですが、夕日も綺麗に見えます。
岩だらけの何とも不思議な光景に赤い日差しが入り幻想的な光景が楽しめますよ。
とても不思議なスポットながら函館市の観光案内には一切入っていない雷落とし。
函館観光というと西部地区の教会群やベイエリア周辺と思うかもしれませんが、汐首地区には雷落としの他にも野生の馬がいる山や戸井線アーチ橋など見所があります。
ちょっと足を延ばしていつもと少し違う函館を堪能するのもお勧めですよ
■竜神堂(雷落とし)
【住所】北海道函館市汐首町111
【アクセス】JR函館駅から函館バス91系統に乗車し、汐首で下車
この記事を書いた人
コイチ
気が付いたらアラフォー。
大泉洋と同じ高校出身な北海道在住の旅人ですww
北海道内179市町村の温泉・登山・お祭りめぐりと
北海道内でイッテQみたいなことしています(笑)
179市町村しょっちゅう出かけているのは、恐らく自分とブギウギ専務くらいww
たま~に本州にも出没してます。
西でも東でもない変わった食文化がある名古屋が最近のお気に入り。
ブログ:北海道よりみち話